このたび、小宮山書店スタッフがキュレーションを務めている
ラフォーレ原宿・GR8とのコラボレーション企画として Cali Dewitt x Go Mishima
コラボレーション作品が発売されます。
Cali Dewitt / カリ・デウィット(1973- ) カナダ出身。ロサンゼルスを拠点に活動するマルチアーティスト。アメリカ、ヨーロッパ諸国、そしてアジアの国々で幅広く制作活動・展覧会を開催。インデ ィペンデント音楽レーベル Teenage Teardrops オーナー、ブランド SOME WARE デザイナーでもあり、アーティスト集団「WSSF」を主催するほか、 Kanye West(カニエ・ウェスト)のマーチャンダイズデザインを手がけたことでも知られている。
Go Mishima / 三島 剛 (1924-1989) 昭和を生きた日本のゲイ・エロティックアーティスト。稀代の天才作家・三島由紀夫から”三島剛”の名をもらい、日本初の商業ゲイ雑誌『薔薇族』や日本を代 表するゲイ雑誌『さぶ』のグラビア、挿し絵を中心に活躍したほか、『三島 剛 画集・若者』を刊行。没後、本人の実像を知るのは限られた極わずかな人たち のみだが、食器棚の食器を寸分の狂いもなく、ピシっと整える人物だったという。
北米に生まれ、現代を生きるマルチアーティスト Cali Dewitt と、昭和の日本のゲイ・エロティックアートを牽引した三島剛。両者は それぞれまったく異なる土地、時代を生きてきました。一見かけ離れた存在の両者ですが、ルールに縛られず、己の視点で世の中と対 峙しメッセージを発信する二人の作品や活動を紐解いてゆくと、そこにはどこか重なる輪郭が浮かび上がってきます。
音楽レーベル、アパレルブランド、著名アーティストのマーチャンダイズデザイナーなど、多彩に活動し多くの人と関わりながらも、 謎めいた印象を持つ Cali Dewitt 。インターネットから切り取られた言葉の断片のように、力強く、直線的で、無機質ささえ感じる彼 のメッセージ作品には一貫して、便利な情報化社会の表裏一体性、憂いや孤独が内包されています。Cali Dewitt は、この時代に生きる アーティストとして他者と繋がりながらも、その社会自体を冷静に俯瞰するような作品を作り続けています。
一方、三島剛は、昭和という時代の只中、日本のゲイカルチャーの黎明期において、独自の日本男児像を描き続けた人物です。日本画 を描いていた経験を持つ三島の美しく精巧な男性像は、同性愛者たちのコミュティーにとどまらず、多くの文化人たちからも注目を集 めました。欧米のゲイ雑誌などでは、戯れる複数の男たちの情景がよく目にされるなか、三島の描く、短髪、入れ墨、ふんどし姿で、 時には日本刀を携え た若者たちは、みな一人、空虚な白い背景の中にいます。彼らは凛々しい視線とたくましい体躯で描かれていま すが、その細やかな筆使いと、彼らを包む余白からは、マイノリティ故の世の中や他者からの寂然とした孤立、ポエティックな心の空 白を感じずにはいられません。
Dewitt と三島という両者の作品の中には、個、孤独、憂い、そしてインターネットやマジョリティという静かながら圧倒的な力・圧力 の存在を感じるに易く、そこには時空を超えたシンクロニシティが見出せます。本展では、この時代を超えた心の対話のような共鳴を可視化させ、今回のコラボレーションアート作品として発表いたします。
作品は、Dewitt の代表作である“プラスチック・サイン・シリーズ”と、1972年に第二書房より発刊された『三島剛 画集・若者』から抜 粋した絵画を組み合わせた、全15種類のオリジナルアートワークコレクションです。
また、この場をお借りして、本コラボレーションのための三島剛作品の使用承諾をしてくださいました伊藤文學氏に、心から感謝申し 上げます。三島剛の作品はプリントなどもなく、現存するのはオリジナルのアートピースのみのため、今回このような形で新たな世代/時代に向け三島作品を発表できることはたいへん意義があり、光栄なことと存じます。
Cali Dewitt x Go Mishima Collection は、現地時間(PST)11月29日 午前11時より、アメリカGR8オンラインストア(www.gr8.us)にて発売と なります。
*今回の発売では、日本国内からのオンライン購入はできません。日本での発売は現在調整中となります。
※こちらの作品は小宮山書店内での販売はございません。GR8までお問い合わせ下さいませ。gr8@gr8.co.jp
@________gr8
Official Collection Video by Koji Ueda: https://youtu.be/mQlZYcAWhww