［父の記憶 / 深瀬昌久］ | 神保町の小宮山書店 / KOMIYAMA TOKYO

こちらは、日本国内のみならず海外にも多くのファンを持つ北海道出身の写真家・深瀬昌久自身の父親を記録した写真集です。ページは深瀬氏の両親の婚礼写真から始まり、父・助造が亡くなって骨になったまさにその骸骨や、さらにその後の母・みつゑの姿も映されています。本書は7つの章に分かれ、生き生きとした笑顔で子供たちと戯れるたくましい父親の姿も、年をとって小さくなった体を抱き抱えられる後ろ姿も記録されており、徹底したドキュメンタリー性が貫かれています。さらに、本書は貴重な帯付き、更に深瀬氏のサイン入りです。
この写真集が、深瀬氏自身が新宿での事故により活動を途絶えることとなる1992年の前年に刊行されたということも、この一冊の存在感を大きくしているのではないでしょうか。
巻末に掲載された「深瀬助造年譜」にも注目。「昭和25年　美深町で最初のバイクを購入。パチンコに凝る。」等、ユニークで執拗な描写と様々な事件による深瀬家の壮絶な人生が垣間見えます。

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