［新宿群盗伝伝 / 著：渡辺克巳　装丁：杉浦康平、鈴木一誌］ | 神保町の小宮山書店 / KOMIYAMA TOKYO

日本の写真家、渡辺克巳（1941-2006）は"流しの写真屋"として、1965年以降夜の新宿を3枚200円で撮影し売り歩きました。「新宿劇場」「精神病院」「偉大な子宮」と形容するアンダーグラウンドシーンは単なる混沌ではなく、各個人の生き様が交錯する「厳しく、優しく、温い街」として描き出されています。

当店では、本書の第1弾となる
・『新宿群盗伝 66/73』（薔薇画報社 1973年）
や、その新刊である
・『SHINJUKU GUNTODEN 1965-1973』（Akio Nagasawa Publishing 2013年）
のほか、世紀末の新宿を写した
・『Hot Dog 新宿 1999-2000』（ワイズ出版 2001年）
のご用意もございますので、こちらもあわせてご覧ください。また、商品に関してご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

　新宿は、ひとつの大きな劇場だと僕は思っている。そういうふうに考えると、新宿はもうひとつ面白くて楽しい街になる。きょうは、どこへ何を見に行くか。
あるいは、自分もきょうは演じてみよう、というわけだ。新宿は、各人の趣味と趣向に応じて、どんなものでも見せてくれるし演らせてくれる。ひそやかなものが表面化し、表面化してしまったものは泡のように消えていく。知る人ぞ知る、なんて言われていた店も、すぐに表面に出る。表面に出てしまえば、どうってことのない平凡なただの店だ。新しい何かが陰で行なわれ、すぐまた表に出ていく街。
新宿はそういう街だ。（本書より）